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築30年、40年、50年、建替え?リフォーム?の5つの選択基準~その1~
奈良のリフォーム専門店DOのリフォーム
奈良橿原ショールームのHです。

↑大和高田市 N様邸
「建替えるべきか、全面リフォームするべきかわからない」という相談は、
人気の相談内容で常にランキングの上位3位以内に入るものです。
一般的に、建て替えか全面リフォームかを判断する際に考慮される基準は以下の5つです。
〇建物の老朽度の観点から
〇建物の耐震性・耐久性の観点から
〇セカンドライフプランの観点から
〇資金計画の観点から
まず、『法規制に基づく建て替えか全面リフォームか』を考える際には、
建築基準法の改正時期が一般的な判断基準となります。大まかな改正時期は次の通りです
~1971年(S46年5月)【築52年以上相当】
基礎のない家、底板のない基礎コンクリートが多い
壁量(1F=12、2F=8)
1971年(S46年6月)~【築52年相当】
基礎コンクリートの布基礎が義務化される
壁量(1F=21、2F=12)
1981年(S56年6月)~【築42年相当】
新耐震基準が導入される(新耐震木造住宅検証法の対象住宅)
基礎コンクリートの鉄筋化が一般化
壁量(1F=29、2F=15)
2000年(H12年6月)~【築23年相当】
地耐力に応じた基礎構造が規定される
壁量(1F=29、2F=15)
壁の配置バランスが偏心率30%以内と定められる(建設省告示1352号)
仕口の各接合部の接合方法が定められる(建設省告示1460号)

上記の基準の中でにおいて、最も重要な基準は何か?と聞かれたとき、
私は基礎の内容と強度だと答えることが多いです。
基準の改正による壁量の増加は、後から壁を増やすことで対応できますが、
基礎ごと作り直す場合は建て替えになるからです。
特に基礎の鉄筋コンクリートがS56年6月以降に一般化されたことは、大きな改正点です。
コンクリート(セメント+砂+砂利)の基礎は圧縮には強いですが、引張りには弱く、引っ張りに強い鉄筋化によって基礎の破断リスクはかなり低減されました。
そのため、S56年6月以降に建てられた建物(築42年相当)については、全面リフォームをおすすめします。
ただ、基礎コンクリートに鉄筋が入っていない1971年(S46年6月)~(築52年相当)の建物については、
必ずしも建て替えるとなるわけではありません。 無筋コンクリートでもリフォームが可能なケースも多くあり、
地盤の状態や基礎の強度(シュミットハンマー強度診断)の結果に問題がなければ、
全面的なリフォームがおすすめです。
しかし、診断結果が基準を大幅に下回る場合は、建て替えが適切な選択です。
また、リフォーム会社にはクラック(ひび割れ)の補修技術を持っているところもあります。
私たちは主にクラック補修で対応することがほとんどです。
さらに基礎の強度が低い場合には、無筋コンクリートを鉄筋化する技術を持つ会社もあります。
お客様の財産価値を保護しながらリフォームすることが重要です。
束石に柱が乗っている町屋や古民家など基礎コンクリートのない建物は、耐震の考え方自体が異なる場合がありますので、まずは住宅調査が必要です。
建て替えかリフォームかで悩んでいる方には、早急に住宅調査と耐震診断を受けることをおすすめします。